第1回 行政書士 井藤真生の『独立開業・新会社経営の指南書』~起業を予定している人が会社を辞めるときの注意事項

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井藤行政書士事務所
行政書士 井藤真生
 ●「将来の独立、開業、起業を考えている方」、
 ●「既に起業準備に入っている方」、
 ●「起業後まだ日が浅い方」
 ●「新規事業を考えている方」
 ●その他、「起業と経営に興味のお持ちの方」を対象に、
   起業や会社設立、会社経営に役立つ、実践的情報を発信して行くことを目標としています。

起業を予定している人が会社を辞めるときの注意事項


こんにちは。行政書士の井藤です。
今回は、『起業を予定している人が会社を辞めるときの注意事項』
について、考えてみたいと思います。


■ 退職の動機、起業の動機

会社を退職するとき、表面上は「円満退社」の形をとることが多い日本社会。
しかし、タテマエと裏腹に、退職に至った理由には深い訳がある場合が多いことでしょう。
企業を退社し、起業を行う場合、「のれん分け」のような文字通り、両者にとって発展的な退職は、なかなか難しいと考えた方が良いでしょう。なぜならば、「のれん分け」を行うことは、企業にとっては、少なくとも、当初は、事業のある部分がなくなることを意味しており、そのマイナスを見越しても、得られるプラスがなければ、なかなか決断できないことだからです。(もし、「のれん分け」的に、元勤務先企業に、退社し起業を奨励してもらったとしたら、貴方が特別に評価されたことは素晴らしいことであり、また、会社が特別な配慮を決断したことは、本当に感謝すべき勇気ある行動であることだと思います。)

現実的には、多くの場合は、会社勤めは会社勤め。起業は起業。
と一線を引くことが一般的でしょう。
但し、「もう辞める会社だからどうでも良い。」などとは思わず、どんな理由で辞めることに至ったにせよ、できれば最後はキレイに辞めたいものです。

■ 退職の動機は人そろぞれだが、辞めるときはキレイに辞めよう

起業後は、第一線で、新会社や事業の代表として、責任を持って、社会に相対さなければなりません。今までのように良きにつけ悪しきにつけ組織の中に身を置いておけば良いわけではありません。
独立のスタートとして、自分の今まで務めていた会社と向き合いましょう。
そして、素晴らしく、キレイに、カッコよく飛び立とうではありませんか!

■ 万が一のトラブルに備えて、注意すべきこと

1)退職するまで就業規則、社内規定を厳守しよう。
正式な退職日までが、会社との労働契約期間中であり、従業員は就業規則をはじめとした会社の規則に従い、上司の指示・命令に従う義務があります。

もし、万が一、就業中の会社との関係が険悪であるとしたらならば、なおさらルールを守ることに気をつけた方が良いと思われます。
万が一、会社が貴方に対して何らかの「制裁をしたい」と考えたならば、勤務期間中の就業規則違反、命令違反を問いたいからです。
特に、就業期間中に新しい仕事の準備などすることは厳禁です。
最悪の場合の退職金の停止等の措置のリスクは避けたいものです。


2)引継ぎは自分から行い、引継ぎ完了報告書を作成しよう
退職後でよくあるのは、「○○は引継ぎを行わず勝手に辞めて言った無責任なやつ」発言。
このような発言の質が悪いのは、表立って反論してくれる人が少なく、発言が発言を呼び、悪評判が拡大して行く可能性があることです。なぜなら、何か問題が起きたとき、辞めてもういない人の責任にすれば現社員にとっては、傷が付かず良都合が良いことだからです。
それでも、まだ評判のレベルで留まっていれば、本人がその情報を直接聞くような機会は稀でしょうから、大したことではないかも知れません。

しかし、場合によっては、いつの間にか、責任問題の話がどんどん進み、『「○○」に損害賠償を求めよう』とまで発展するリスクさえもあるのです。
そんなことは物語の世界だと思う方もいるかも知れません。
あるいは、「私は、不当なことはしていないので大丈夫だ」と自信を持っておられる方もいるかも知れません。
しかし、万一、そのような事件が起きたとき、相手は集団で貴方を悪者扱いして来ますので、例え、最後には、裁判で貴方が勝つとしても、そのための対処だけでも大変なことになってしまうのです。

「引継を受けることは残った社員の当然の義務である」と会社が言うのは、最もなことですが、引継をする貴方の立場で言う発言ではありません。残る社員の立場になれば、「引継を受けることはやっかいなことであり、できれば、避けたいモノである。」と言う具合に考えておいた方が無難でしょう。

したがって、引継ぎは、求められたらやるのではなく、貴方の方から積極的に、きっちり行なわなければなりません。
さらに、引継ぎが終わった後は、「どのような引継ぎをいつ誰に対して行ったのか、関連書類はどこにあるか」等を文書に残して、最終的に上司に確認印(署名でも良い)をもらっておきましょう=「引継完了書」と言います。

「引継完了書」は2部作成し、1部を会社に渡し、もう1部を自分で保管しておきましょう。
「引継完了書」の最後には、”以下のとおり、引継ぎは完了いたしましたので、私から伝えることは他にはないと思います。しかしながら、万が一不測の事態が発生し、退職後もなお私に対して確認が必要なことがあるような場合は、原則として○月○まで頃までは、××までご連絡頂ければ、できる限りの説明はさせて頂きます”
・・・・のような丁重に、誠意を見せる断り書き(但し、さり気なく、万が一とか、期限を設けて自らの責任の範囲を明確化している)のような一文を付記しておけば完璧でしょう。 

3)もし引き継ぐ相手がいなかったら・・・・それでも、引継書を作ろう
もし、引き継ぐ相手がいなかった・・・・それでも、もくもくと未来の相手を想像しながら、引継書を作ってしまって、上司に渡しましょう。
引継書には目次を付け、一覧で内容が分かるようにしておきましょう。
この場合であっても、2)の場合と同様に、「引継完了書」の発行と署名を忘れずにしておきましょう。

もう辞めることが決まった人に対して、組織は冷たいかも知れません。
しかし、だからこそ、いいかげんにならずに、しっかりやること。
それが、貴方の、将来にもプラスとなることなのです。


4)会社のモノやデータはしっかり返却しよう
会社から借りていたものがある場合は、退社前に必ず返却しよう。
特に、顧客データや商品データ、個人データなど、会社の機密情報や個人情報に関連しそうな情報はしっかり返却を行ない、もし、気になるようであれば、会社から強要されずとも、自ら、「返却届け」を作成し、返却したものを一覧にして、「引継完了書」確認の署名または押印をもらうようにしておけば完璧でしょう。


5)起業のことは言うべきか、言わざるべきか
退職時に起業のことを言うべきか、言わざるべきかは、ケースバイケースだと思われます。
例えば、「稼業を継ぐために退職する」等と言う大義名分がある場合は、正直に言った方が退職もスムーズに行くことでしょう。
逆に、自社と多少なりとも競合関係になるかも知れないような起業の場合は、通常は、極秘にしておいた方が無難でしょう。「就業中に独立起業の為の準備と情報収集をしているのではないか?」と思わね疑いをかけられるリスクがあるからです。そんな場合は、「退職後はしばらくゆっくりして、次の行動を見極めたい」とか理由を付け、あくまで、「起業は退職後に決断した」と言う事実を作った方が賢明かも知れません。

何れにしても、後で、簡単にバレるような、その場しのぎの嘘、つじつまが合わないような説明は避けるべきです。


■ 編集後記

今回は、『起業を予定している人が会社を辞めるときの注意事項』について取り上げました。
文中でも書きましたが、後で、何か問題が起きたとき、辞めた人の責任にすればその場は丸くおさまる傾向があります。そのレベルであれば、自分の耳に入ることもあまりないでしょうし、いちいち怒る必要もないでしょう。

しかし、場合によっては、「退職金の支給ストップ」とか「損害賠償請求」とか、あるいは、そこまで行かなくとも、貴方の取引先への「誹謗中傷」とか、の事態になることはけっして、少なくありません。
仮に、貴方の行動は決して間違っておらず、裁判になったら勝てる状態であったとしても、せっかく、起業と言う新しい世界へ飛び立とうとしている貴方のけっしてプラスとはならないこのようなトラブルは避けたいものです。

その為に、「立つ鳥跡を濁さず」。爽やかに飛び立とうではありませんか!

最後になりましたが、皆様の、ビジネス、健康、生活が豊かなものとなりますことを祈っております。


会社設立、独立、起業、開業と新会社経営より内容を一部編集して転載しております)




井藤真生 プロフィール
こんにちは。行政書士の井藤です。当事務所では、
「真に、お客様のお役に立つことを実践し、お客様に安心と安全をお届けする」を事業目標として、行政書士業務を行って参ります。
井藤行政書士事務所
私は、機械メーカーやサービス業の持ち株会社を中心に20余年、人事、総務、経理、経営企画等の実務を行い、また、自らが新会社の立ち上げも行って参りま した。これらの経験を基に、起業、開業、会社設立、契約書、文書作成、法務支援等、中小企業やベンチャー企業の皆様を中心に、お役に立てることであれば何 なりともサポートさせて頂きます。
愛知県豊田市 井藤行政書士事務所
日本の経済や雇用を支える中小企業。
しかし、現状は、廃業が新規開業を上回る状態に陥っています。
これからの日本経済のために、この問題の対策

(1)中小企業が元気になり廃業率が減ること
(2)新規開業が増え、新しい事業や会社が成長することが急務です。 当事務所では、さらに、
(3)これらの問題解決のキーパーソンであり、中核的人材となるべき若者の仕事の支援。 ・・・の3つの目標を持って、業務を行って参りたいと思います。



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