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神奈川県行政書士会川崎北支部所属 行政書士 川本到 新興飲食チェーンの法務担当者を皮切りに、老舗居酒屋チェーンの法務部、コーヒーチェーンの法務部門の統括責任者を歴任。 一貫してフランチャイズチェーンビジネスの法務業務を行いながら、上場関連業務や、企業広報などの仕事も兼務する。 |
フランチャイズの店舗内での事故の責任は誰が負うの??
こんにちは、フランチャイズ専門行政書士の川本です。
前回は、「商標」についてお話しました。フランチャイズビジネスにおける商標の重要性についてご理解いただけましたでしょうか?今日は、フランチャイズ運営上のトラブルの中から「事故が起きた場合」について考えてみたいと思います。
店舗を構えて商売をするようなビジネス、たとえば飲食店・小売店や、コンビニなどのフランチャイズというのはたくさんありますが、こういった店舗での事故について、その店舗を運営しているフランチャイジーだけでなく、フランチャイザーに対しても損害賠償の請求が来ることが時々あります。
事故にあった消費者の方からすれば、本部か加盟店かというのは見えないものですし、一般的にフランチャイジーよりフランチャイザーの方が企業体が大きいので、損害賠償金をとれる可能性が高いと考えるのでしょう。
たとえば、コンビニチェーン店舗でお客様が滑って転んでケガをした場合について考えてみましょう。
お客様が自分で勝手に転んだ場合で、その店舗を運営するフランチャイジーには何の落ち度もない場合には、当然、フランチャイジーもフランチャイザーも責任を負わなくていいことになります。
では、フランチャイジーの店舗で、床にワックスがけをした直後にお客様が転んだ場合はどうでしょう?通常こういった場合には、「滑りやすいのでご注意ください」などの貼り紙をしておくものですので、それをしなかったフランチャイジーには一定の責任があるという結論になりそうです。 こういった、フランチャイジーの過失で事故が起きてしまった場合に、その責任はフランチャイザーも負うことになるのでしょうか?
判例では、フランチャイジーの従業員がフランチャイザーのマニュアルに従って床をモップで水拭きしところ、お客様が足を滑らせて転倒してケガをした事件で「X社(本部)はフランチャイザーとして、フランチャイジーにXの商号を与えて、継続的に経営指導、技術援助をしていることが認められるから、X社は、本件店舗の経営主体たるフランチャイジー、又はそのフランチャイジーを通してその従業員に対し、顧客の安全確保のために本件のような場合には、モップによる水拭き後、乾拭きするなど、顧客が滑って転んだりすることのないように床の状態を保つよう指導する義務があったというべきである。」として、本部の責任(指導不足)を認める事例があります(大阪高裁平成13年7月31日判決)。
このように考えると、転倒事故ではなくても、たとえば食中毒や、宅配チェーンの配達中の交通事故などにおいても、フランチャイザーのフランチャイジーに対する指導不足があるような場合では、被害者のお客様に対してフランチャイザーとフランチャイジーの両方が責任を負わなければならないというケースも十分に考えられるということになります。

| 川本到プロフィール | |||||
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