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神奈川県行政書士会川崎北支部所属 行政書士 川本到 新興飲食チェーンの法務担当者を皮切りに、老舗居酒屋チェーンの法務部、コーヒーチェーンの法務部門の統括責任者を歴任。 一貫してフランチャイズチェーンビジネスの法務業務を行いながら、上場関連業務や、企業広報などの仕事も兼務する。 |
エリアエントリー型フランチャイズ加盟の注意点
こんにちは、フランチャイズ専門行政書士の川本です。
前回は、ちょっとしたコラムとして「韓国訪問記」を書きました。今回からは、Q&A方式で寄せられた質問への回答をしていきたいと思います。
では、さっそく最初のご質問です。
A.ご質問のような、出店場所が未確定のまま、出店エリアだけを決めてフランチャイズ契約を締結する形の契約を、エリアエントリー型フランチャイズ契約などと呼ぶことがあります。
通常、店舗型のフランチャイズ契約というのは、ある特定の場所でフランチャイジーとして出店することを契約するものですが、エリアエントリー型では場所が厳密に特定されないことになるので「あるエリアで(優先的に)出店できる権利」を付与されるフランチャイズ契約ということになるでしょう。
ところで、こういったフランチャイズ加盟の注意点ですが、いくつかあります。
まず、店舗物件を探すのは通常フランチャイジーの義務ですので、その定められたエリアの中で物件を探さなければなりません。どんなに優良物件が出てきても、エリアの外側では出店できないことになってしまいます。エリアの中で店舗物件が出てこないと、加盟金を支払ったはいいけど、なかなか出店できないという事態が起こる可能性があるのです。
実際に、出店できなかった結果として、加盟金だけをとられてしまったフランチャイジーが、フランチャイザーを相手にして加盟金返還請求訴訟を起こしたケースというのが数件あります。
次に、「エリア」という考え方が非常に曖昧で抽象的なため、どこからどこまでがエリアの中なのかという点についてフランチャイザーとフランチャイジーがお互いに確認する作業をしないと、後の大きなトラブルになることもあります。
このようなトラブルでは、本部が説明したエリアと、実際にフランチャイズ契約を締結したときに加盟したエリアが違うということで、加盟契約の成立について錯誤無効(民法95条)が認められたケースというのがありました(平成19年3月23日大阪地裁判決)。
さらに、一度エリアエントリー契約を締結したら、未来永劫そのエリアで優先的に出店できるのか、それともある一定期間を経過した場合には、そのエリアでの優先出店権を失ってしまうのかという点についても十分に注意が必要です。
フランチャイザーの側から見ても、エリアエントリー型のフランチャイズ契約を締結しても、フランチャイジーが出店をしない状況がつづくと、加盟金を売上計上できない(加盟金を売上計上するのは、フランチャイジーが店舗を開店したときとする会計ルールが存在しています)状況が続いたり、出店できていないフランチャイジーを抱えるという状況になるなど、フランチャイザーにとっても困ってしまう問題が起きる可能性もあります。
こういった点に注意して、フランチャイザーとフランチャイジーが双方慎重に確認作業をしながらエリアエントリー型のフランチャイズ契約を締結することが大切です。
| 川本到プロフィール | |||||
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